ご挨拶

現在、日本は、バイオ医薬品の製造を担う人材が不足しており、バイオ製造の基盤技術を担う人材の育成が急務となっています。

日本製薬工業協会が2012年公表した、日本発バイオ医薬品の創製促進のための提案には、「バイオ医薬品の開発・製造にかかわる人材の育成、小規模のバイオ医薬品製造受託能力も備えたバイオ人材育成機関の設立」があります。また、国の医薬品産業強化総合戦略の中でもバイオ人材育成の必要性が明確に示されています。

このような状況のもと、バイオ医薬品の開発・製造に関わる人材を育成することを目的に、一般社団法人バイオロジクス研究・トレーニングセンター(BCRET)が、平成29年8月に神戸大学統合研究拠点(ポートアイランド)内に設立され、産・学・官の協力の下、平成30年4月から本格稼働いたしました。

上記の目的を果たすためBCRETでは、「(1)バイオロジクス分野の開発、製造及び分析に関連する教育を実施し、産・学・官で協力して、当該分野の産業を推進する人材を育成する。(2)バイオロジクス分野に関する先端的な研究・調査を行う。例えば、その結果を行政と連携して規制に反映させるなど、当該分野の産業の幅、量において更なる振興を図る。(3)大学等に存在するバイオロジクスに関する研究、特にシードの開発を支援し当該分野の産業界へ橋渡しする。」ことを事業内容としています。

BCRETの講習会(座学及び実習)の講師は、実際にバイオロジクスの開発・製造を行った経験を有する製薬企業の開発・製造担当者及び神戸大学の教員などですので、非常に実践的な内容の講習会となっております。

BCRETは、製薬企業等におけるバイオ医薬品の製造・開発に精通した人材の育成を推進することを目的としておりますが、バイオ医薬品の審査やGMP適合性調査に関わる審査官や学生等の研修を行うとともに将来的には、国内のみならず、アジア等、海外の関係者も研修対象に見据えております。

これら業務の遂行のため、これまで同様、産・学・官からのご協力・ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

一般社団法人 
バイオロジクス研究・トレーニングセンター

代表理事 豊島 聰